各種半導体実装 各種精密貼合 各種機器組み立て 試作から量産まで一貫受託!


メールマガジン

今回のお題は、組立事業についてです。

 当社のルーツが蚕業であることは以前のメルマガでもご紹介しましたが、その次に主柱事業となったのが精密組立です。近隣の精密機器メーカーからウオッチやカメラのユニット組立を受託して加工賃をいただくという形で事業を行っていました。精密組立は第2のルーツということになりますが、現在でも、メカ系、光学系、電子系など多様な精密組立量産を一貫して承っております。

 かつて、この諏訪エリアには「精密」組立を受託する中小企業がたくさんありましたが、完成品メーカーは国際競争に勝ち抜くために、より低廉なコストでの組立が可能となる東南アジア各国への展開を積極的に進めたことなどもあり、当社のような精密組立を継続している企業はずいぶん少なくなりました。

 当社は、こうした量産主体の組立受託以外にも、例えば、展示会用のユニットや限られた数量の特殊な製品の組立などの引き合いもいただいております。また、貼合や実装の製造工程で必要となる治具製作などを含めたご依頼も頻繁にいただきます。こうしたニーズについては、社内のエンジニアがCADを使って設計を行い、外部から必要な部材を調達してお客様のニーズに応えています。また、社内で対応が難しいケースについては、近隣のメーカーに協力をお願いして完成させるようなケースも多々あります。

 当社は、半導体やLEDの実装、高機能フィルムの貼合やディスプレイ実装などを主柱事業としていますので、これら事業と精密組立を一気通貫で受託できるところに特徴があります。また、光学機器製造技能士1級を有するメンバーもおりますし、医療機器関係についても製造業ライセンスを獲得するなど、特徴ある精密組立の実現に向けて今後も努力を継続していきます。

 以下、余談です。この時期になりますと、柿が色づいてきますが、たわわに実った柿を収穫する家庭も少なくなって、多くの柿がそのまま放置されます。この地域は渋柿がほとんどで、食べるためには、干し柿にしたり、「さわし」柿にしなければなりませんが、いずれも結構手がかかります。(このあたりの方言でいう「ずく」がいるわけです)それで、多くの柿が放置されることになります。柿は渋いのでほとんど害虫の被害もありませんし、農薬なども不要で、放っておいても大丈夫です。また、栄養価も非常に高いとも聞いていますので、柿の需要を回復する良いアイディアがないものかと、毎年思う次第です。(T)


今回のお題は、日本の半導体産業についてです。

 経済産業省は2022年6月に「我が国半導体産業復活の基本戦略」(以下、基本戦略といいます)をリリースし、この戦略に則ってさまざまな政策を展開しています。当社に関係が深い部分について少しピックアップしてみました。

 まず、パワー半導体についてです。基本戦略では「日本列島をパワー半導体の世界拠点に」と位置づけています。パワー半導体は、電気自動車などの世界的なグリーン投資の後押しで今後も需要が拡大すること。特に省エネ性能に優れたSiCパワー半導体は今後10年間で24倍!(3.4兆円)になることが見込まれること。激化する国際競争を勝ち抜くために国内での連携・再編を図ることで、日本全体としてパワー半導体の競争力を向上すること。そして日本を欧州、米国とならず世界の第三極の拠点となるとしています。当社もパワー半導体に関する実装案件を受託していますが、さらに技術・ノウハウを高め、最先端装置の導入も積極的に実施していきます。
 当社メルマガのバックナンバーで、信州酸化ガリウムデバイス化研究会に参加していることに触れましたが、酸化ガリウムはSiC(シリコンカーバイト)よりもさらにパワー半導体の性能をアップさせることができる基板と言われおり、基本戦略でも次世代グリーンパワー半導体として、GaN(窒化ガリウム)とともに取り上げられています。

 もうひとつが、最先端実装についてです。素子や電子回路の配線幅の微細化が限界に近づいていると言われるなかで、半導体の高性能化のために、一枚の基板上にロジック半導体とメモリーなどを同時に実装するチップレット技術が注目されています。このためには基板を垂直に実装する技術が必要であり、世界中のメーカーが開発に躍起となっています。日本には、世界有数の基板、材料、装置メーカーがあり、海外ファンドリーやOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)メーカーとも連携を進めるとしています。

 当社はベアチップICやLEDなどの実装を数多く承っておりますが、上記のような最先端実装にも積極的に取り組んでいく予定です。また、当社は他社の資本等が入っていない独立系企業です。あらゆるお取引先からのニーズに柔軟に対応できますので、遠慮なくご用命ください。

 以下、余談です。先日、電池で駆動のアナログクォーツウォッチを購入しました。メカウォッチやソーラーウオッチなども何本か使っているのですが、クォーツウオッチは定期的な電池交換は必要ですが、多少、放っておいてもいつでも正確な時間を表示しますので、結局、一番使いやすいと思っています。ところが、近所の時計店にはほとんどアナログクォーツウオッチが売っておらす、メーカーのカタログにもめぼしい商品がほとんどありませんでした。国内外のメーカーの主流はすべてメカウォッチであり、価格も10万円以上が普通という様子です。かつて、アナログクォーツウオッチは、メカウオッチを駆逐したのですが、消費者の嗜好は、時とともに変わっていくものだと改めて感じました。

 弊社のホームページにメルマガのバックナンバーをアップしてありますので、覗いてみていただければ幸いです。(T)



今回のお題は気密封止についてです。

 当社のコア事業の中に「気密真空パッケージング」というテクノロジー分野があります。この技術はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、「微小電子機械システム」)の発達を支える極めて重要なテクノロジーです。

 MEMSは構造が立体的で可動部を有する点が特徴的であり、全長はミリメートル単位、その部品はミクロン単位という極小の世界です。今日ではMEMSは半導体同様にあらゆる製品の中に存在しています。もともとは自動車のエアバッグを作動させるための加速度センサーとして採用されたのが始まりと言われていますが、スマートフォンにさまざまな機能が搭載されるのに伴い、加速度センサー、ジャイロセンサー、マイクロフォン、気圧センサー等のMEMS製品がたくさん組み込まれています。スマートフォンには水晶振動子・発振器も複数個入っていますが、これらもMEMSの代表的な製品です。スマートフォンは全世界で毎年12億台以上が生産されますから、使われるMEMSの生産量も莫大なものになります。
 
 MEMSには非常に微細な可動部があります。この可動部がきちんと作動するためには、空気抵抗を軽減しなければなりませんし、赤外線センサーでは高感度化のために気体による熱伝導を避けることが求められますので、センシング素子はセラミックパッケージの中に実装され、フタをして真空封止(窒素封止等)します。ここがしっかりと封止されないと空気が入ったり、窒素ガスがリークしたりして、期待するMEMSの性能が発揮できません。ですから、どんな技術でどのような封止を行うか、そのためにどのようなノウハウが必要なのかが、MEMSの性能を左右する重要な要素となるわけです。

 当社はパッケージ実装~気密封止(シーム溶接)~グロスリークテスト~ヘリウム加圧~ファインリークテストと一貫した設備、技術ノウハウを有しており、お取引先、大学、研究機関等の皆さまからの試作・量産ニーズについて幅広く対応させていただいております。特に、最先端MEMSや特殊な半導体の性能を究極的に引き出したいという開発レベルの案件についても、お問い合わせをいただきます。

 このような「気密真空パッケージング」装置や技術ノウハウを有する企業は国内にはあまり多くありませんし、当社は試作・少量多品種の量産を始めとして、お客様のさまざまな技術的なご要望にも柔軟に対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

 以下、余談です。しばらく前に警備保障会社が提供している「見守りサービス」に加入しました。家の中に人感センサーを設置して、離れたところに住んでいる実家の親などの安否をリアルタイムで確認できる仕組みです。確実に動きが把握できるところ(例えば、トイレの前など)にセンサーを設置し、スマホでいつでも動きの有無を確認できます。また、センサーに12時間反応がない場合は、警備員が実際に訪問して安否を確認してくれます。警備保障は不審者の侵入を感知するのが基本のビジネスモデルですが、家の中に動きがないことを感知して事業化にするという逆転の発想力に感心します。(T)



今回のお題はDXについてです。

 DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、経産省は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義していますが、なかなかピンとこないというのが正直なところです。国内有数のIT企業のHPに「全員参加型DX」というような資料がありましたので読んでみましたが、なにやら難しい図表が多くて・・・

 いずれにしても、従来のIT化では不十分で、例えば、生産性の向上という観点でいえば、センサーとAIによる異常検知や故障予兆検知、クラウドサービスの利用による運用負荷の軽減、場所を選ばない業務遂行、ペーパーレス化による利便性を向上により省人化・省力化を推進することで、従業員は定型的な作業から解放され、新しい価値創造に集中できるということだそうです。

 当社は諏訪圏ものづくり推進機構の「半導体関連分野の製造企業を対象に産官学金の連携で伴走支援を行う」という取り組みに対象企業に選定いただきました。ものづくり推進機構としては、「DXに関連した課題解決の伴走支援を行い、経営・デジタルに関する専門的な知見やノウハウにつながる活動を推進し、諏訪ブランドの構築に繋げたい」ということで、すでに、事務局メンバーが2度ほど来社し、当社の実情や期待するDXへの支援等について意見交換をいたしました。

 当社としては生産面ではかなり以前から生産管理システムを導入済みで、手前味噌でいけませんが、中小企業としてはかなりのレベルでIT化を進めてきましたので、今回は営業面に焦点を絞って「営業DX」に取り組みたいと考えています。当社は試作業務を手広く扱っていますので、取引先も多岐にわたっており、また、営業メンバー間、生産部門、経営とのタイムリーな情報共有→営業戦略の策定など多くの課題を抱えています。営業活動自体もこれを機に変革していくことができれば、政府の言う「プロセスを変革し、競争上の優位性を確立する」というDXの定義にも則した取り組みになるのではと期待しています。

 以下、余談です。先日、混雑したあずさ号の前の座席に目の不自由な方が乗って来られました。同行者もいたので特に困っておられる様子もなく、茅野駅で降りて行かれました。私はすぐ後ろに乗っていたのですが、降りられるときに盲導犬を連れていることに初めて気がつきました。それまでに2時間弱の間、盲導犬にまったく気が付かなかったのです。本当にまったく気配もなかったことに驚きました。夏の暑い時期、水分の補給などはどうしているのだろうかと少し心配にもなりましたが、ホームを先導していく様子で大切に扱われていることが見て取れました。(T)



今回のお題は信州酸化ガリウムデバイス化研究会についてです。

 当社は、今年度より長野県産業振興機構が進めている信州酸化ガリウムデバイス化研究会に参画いたしました。この研究会は、信州大学の干川特任教授の酸化ガリウム結晶育成技術、およびこれを用いたデバイス化技術を推進するための産官学連携プロジェクトです。長野県は、産業総合技術研究所(産総研)のミニマルファブで量産技術を確立し、1,000億円規模の企業を長野県に創生することを目論んでいます。

 酸化ガリウムは、日本が国を挙げて取り組んでいるパワー半導体(以前、このコラムでも取り上げました)の高性能化に大きな可能性を付加する基板(ウェハー)です。パワー半導体を生成するウェハーにはSi(シリコン)、SiC(シリコンカーバイト)、GaN(窒化ガリウム)等が使用されます。特に、大きな電流を扱うことのできるワイドギャップパワー半導体にはSiCやGaNが用いられますが、この分野において酸化ガリウムは大きな可能性があると評価されています。

 酸化ガリウムのメリットは、まず物性値が優れていることです。例えば、パワー半導体の性能を示すバンドギャップはSiの5倍、SiCやGaNと比べても1.5倍です。また、市場シェアを拡大するてめに必須である生産コストも、今回の干川教授の方法によればSiCやGaNと比べて安価に大量に生成できると言われています。さらに、酸化ガリウムは過酷な環境下での無線通信、情報処理デバイス用途に大きな可能性があり、実際、ガンマ線照射耐性が高いことから宇宙応用に求められるレベルを十分に満たすことが検証されています。一方、酸化ガリウムは熱伝導率が低く、p型ドーピングが難しいなど、解決すべき課題も大きいようです。

 当社は半導体等のベアチップ実装を主たる事業としており、パワー半導体に関する案件も多く受託しております。酸化ガリウムのインゴットを高品質かつ安定的に生成し、それを確実にウェハーにするために本研究会の参加メンバーが協働していますが、さらにこれをパワーデバイス化するためには、実装技術の開発・確立が必要となります。酸化ガリウムには上述したような熱伝導率の難しい特性もありますから、早い段階から実装という観点で酸化ガリウムウェハーに触れて、その特性や最適な実装方法を先回りして考えていくことが大切と考えております。

当社はパワーデバイスを始めとして、ベアチップ実装・COB実装等についてのさまざまな技術課題の解決や実装プロセスの構築相談などを承っておりますので、お気軽にお声がけください。

 以下、余談です。

 バスケットボールに関心のない方でもマイケル・ジョーダンのことや、ナイキのシューズ(エアジョーダン)をご存じかもしれません。エアジョーダンのスニーカーが途方もないプレミアムで取引されたというようなニュースも時々報道されます。このナイキとエアジョーダン誕生の物語を題材とした映画『AIR/エア』を見る機会がありました。NBAに入団が決まったばかりのマイケル・ジョーダンと、ナイキのバスケットボール部門が、エアジョーダンというブランドでスポーツ界と現代文化に革命を起こしたパートナーシップを描く実話をもとにした物語です。マイケルジョーダンは1984年にシカゴブルズに入り、その後の活躍は言うまでもありませんが、彼が履いていたシューズにこんな裏話があって、エアジョーダンがナイキを世界的なブランドとする原動力であったことが分かります。