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 今回のお題は『半導体の3次元実装』についてです。

 当社が事業を展開している半導体業界では、最先端技術の開発競争が国家レベルで行われています。次世代通信システム(ポスト5G)や人工知能(AI)の進展を支えるためにはより高性能な半導体製品が必要となります。半導体製品の高機能化・高速化・低消費電力化には微細化技術が必須で、現在の最先端は2ナノレベル(1 ナノメートル = 0.000000001 メートル)とされていますが、この微細化が限界に来ていると言われます。

 そこで、発想の転換ではありませんが、従来、平面的に構成されていたLSI(大規模集積回路)を縦に積上げるという3次元実装という技術がクローズアップされてきています。従来のLSIでは、メモリー、演算回路、制御回路などさまざまな回路ブロックを平面的に接続してひとつのLSIとしていますが、回路規模が大きくなるほどチップ面積が増加し、回路ブロック間の配線も長くなり、データの遅延や電力消費が問題となってきました。

 3次元LSIはそれぞれの回路ブロックを別々に切り離し、それを重ねて回路ブロック間をチップで貫通させた配線〔TSV(Through Silicon Via)〕で接続する構造をもったLSIとなります。3次元LSIは非常に有効な技術であり、回路ブロック間の配線の長さが短くなることで、平面的なLSIよりも一桁、二桁違う処理速度が可能となるといわれています。

 もっとも、3次元LSIを実現するためには、関連する技術をいくつも完成させなければなりません。上述のTSVひとつとっても、一筋縄ではいきません。積み重ねられた複数のシリコン製半導体チップ同士の接続をこの貫通電極で行うのですから、いかに微細なホールを正確に多数あけるか。基材やホールをあけるための道具(技術)も開発しなければなりません。また、一般的にはあまり聞きなれないインターポーザ―技術も重要です。インターポーザとはラテン語の「間に挟む」という語句が由来とのことですが、実装業界においては、複数の半導体チップと基板を垂直に積み重ねて、ひとつのパッケージに収める時に使われる中継部材のことを指します。より効率的なインターポーザ―の開発にも大手各社が多くの開発リソースを投入しています。

 今までと異なる発想の製品を実現するためには、途方もない関連技術の開発が欠かせませんが、従来の製品を破壊的に更新するイノベーションはこういう地道な開発によりもたらされると思います。

 当社は半導体製品の後工程=実装を主たる事業のひとつとしています。3次元実装への取り組みはハードルが高いものではありますが、基礎技術をひとつひとつ獲得し、今後も半導体業界の発展に貢献していと考えております。

 信州では春になると梅、桜、木蓮、水仙などがほとんど同時に咲き始めます。冬の寒さが厳しいだけにこの季節が待ち遠しく感じられます。春の花が咲き始めると、ほどなく青葉の季節となります。近隣の山々の緑の濃淡はとてもきれいです。諏訪エリアの経済環境はいまだ厳しいものがありますが、初夏の訪れとともに回復していくことを期待したいと思っております。
(T)


イングスシナノは、この度独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)中小企業のための【SECURITY ACTION】(情報セキュリティ対策に取り組む自己宣言制度)二つ星の認定を受けた事をお知らせ致します。この宣言の通り、イングスシナノはより一層の情報セキュリティ対策に取り組んでまいります。



イングスシナノは、2024年 5月22日~5月24日に開催される
人とくるまのテクノロジー展 』へ出展いたします。

● 会 場 :  パシフィコ横浜
● 日 時 :  5/22(水)・5/23(木)・ 5/24(金)
            10:00 ~ 18:00 (最終日は 9:00 ~ 16:00)
● ブース :『ものづくり支援センターしもすわ』での出展となります。
     
        小間番号 399
                 
※出展社一覧にイングスシナノの記載がございませんのでご注意ください
        
事前に来場登録が必要となります(無料)。
下記より来場登録 いただき、ぜひ弊社ブースへお越し下さい。
↓ ↓ ↓
https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/



 今回のお題は『技術教育』についてです。

 当社は電子デバイス領域でビジネスを展開しています。この分野の技術進歩はめまぐるしいですが、常に最先端技術にキャッチアップしていかなければなりません。当社には実装、貼合、真空封止などについて長い経験を有するマイスター技術者が多数在籍しており、お客様のニーズにお応えしておりますが、若手、中堅社員の技術力をどのように引き上げて育成していくかという観点で、今回は当社が取り組んでいる実装に関する技術教育についてご紹介したいと思います。

 実装部門に在籍しているメンバーは日頃から業務として実装に携わっていますから、若手でもOJTを通じてある程度の基礎技術を習得していきます。しかしながら、半導体全体の製造工程や理論的なバックグラウンドを理解したうえで業務に取り組む必要がありますので、これらについては座学として教育しています。社外の専門家に依頼し、年間スケジュールを立てて体系的に講座を設定し実装技術の基礎を学んでいます。お客様と専門的なお話をすることもありますので、基礎教育とはいえ、多少レベルの高い内容となっています。

 一方、新入社員や会社の他部門のメンバーは「実装」に関する技術知識はほとんどない状態です。当社では、中期的にファインデバイス事業にリソースの多くを投入して事業展開を拡大したいという意向もありますので、部門を超えた社員の異動も柔軟に行っていく必要があります。ですから、新入社員を含む初心者にも半導体「超」基礎技術を理解してもらえるような技術講座も整えていきます。この基礎講座では、半導体が我々の日常生活にどのように係わっているかから始めて、半導体の動作原理や製造プロセスの概略を理解し、当社が行っている実装工程の重要性などを取り上げています。また、パワー半導体と他のICとの違いなどについても説明していきます。

 半導体に限りませんが、あらゆる技術分野には特有の技術用語が頻繁に使われます。お客様とコミュニケーションをとる場合に、これらの技術用語が理解できていないとスムーズな打ち合わせもできませんから、基礎教育を受講していく中で、これらの技術用語についても習得していきます。

 当社では、ファインデバイス事業に係わるメンバーに限らず、全社員が半導体実装についての基礎知識を社内常識として共有することによって会社全体の基礎力をアップしていきたいと考えております。

 信州では春になると梅、桜、木蓮、水仙などがほとんど同時に咲き始めます。冬の寒さが厳しいだけにこの季節が待ち遠しく感じられます。諏訪エリアの経済環境はいまだ厳しいものがありますが、こちらも春の訪れとともに回復していくことを期待したいと思っております。
(T)


2024年度の4月1日に新入社員を新たに迎えて、入社式を執り行いました。
ディスプレイ・貼合事業に配属となり、職場は活気に満ち溢れております。
お客様のご期待に沿えるよう、これからもより一層励んでまいります。


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