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メールマガジン 8月
メールマガジン 8月
今回は「超小型原子炉」とパワー半導体についてです。
私たちの生活の中にAIが急速に入ってきていることを感じています。実際、グーグルで検索するよりもGeminiに聞くほうが手軽なので使うことが多くなりました。インターネットや電子メール、SNSもそうでしたが、人々の生活スタイルを大きく変えて、それがスタンド―ドになるような技術やビジネスは途方もない市場をもたらすように思います。
このAIの基盤となっているのがデータセンターです。世界中にデータセンターが作られ、そこに最先端の半導体や電子部品が大量に組み込まれます。これらを動かすためには膨大な電力が必要であり「エネルギーの確保」が大きな課題です。その解決策のひとつとして期待されているのが、従来の原発の概念を覆す「超小型原子炉(マイクロ炉)」と言われています。
大型原発がある中で、あえて「超小型」が求められるのには明確な理由があります。まず、エネルギーの地産地消(分散化)です。送電網を引けない離島、僻地、データセンターの隣などに直接設置し、ロスなく電力を供給できます。超小型原発は炉心が小さいため、万が一の場合も「自然放熱」だけで冷却が可能で、電源や人の操作を介さずに自動停止する「受動的安全」を実現しています。福島原発の被害をみれば、安全性の確保は必須です。さらに、この超小型原発は工場で完成品として組み立てるため、現地での大規模工事が不要で、工期を劇的に短縮できます。
この分野において、日本企業は世界をリードする立場にあります。例えば、三菱重工はトラックで運べる「マイクロ炉」を2030年代に商用化する計画を推進し、25年間燃料交換不要という驚異的な信頼性を目指しています。また、日立GEニュークリア・エナジーはカナダなどの海外市場で小型モジュール炉(SMR)の受注を勝ち取るなど、既に実績を作り始めています。
超小型原子炉を制御し、効率的に発電を行うには、大電流・高電圧を精密に制御する「パワー半導体」が欠かせません。原子炉周辺という高温・振動・放射線の存在する過酷な環境において、半導体チップの性能を100%引き出し、数十年単位で守り抜くのが、私たちが手がける「パワー半導体の後工程技術」です。具体的には、狭い空間での熱暴走を防ぐパッケージング(高放熱技術)や過酷な環境下でも断線しない強固な接合(高信頼性実装)が求められています。
「小さな原子炉」は、未来のインフラを大きく変える可能性を秘めています。前工程で生まれたパワー半導体チップに、後工程で「命(信頼性)」を吹き込む。当社の技術力は、エネルギーの未来を安全に守り続けるための不可欠なピースであると自負しています。
以下、余談です。
中央本線長野地区のローカル列車に新型車両がこの秋から導入されるというニュースがありました。現行車両はJR東日本の他の線区からの「お下がり」ですでに40年以上運行されており、故障も多くなっているとのこと。新型車両は片側4扉ですべてロングシートだそうです。この地域では3両編成で運行される列車も多く、通学・通勤時には都会並みの混雑になることもあります。ロングシートは景色が見にくいというような意見もあるようですが、乗車定員を増やし、スムーズな乗降を可能とするためにはしかたありません。
(T)
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