メールマガジン 8月
今回のお題は『医療機器ビジネス』についてです。
当社は医療機器製造業登録(登録番号:20BZ200101)を有しており、医療機器ユニット等の製造受託も数多く承っております。今回は、医療機器業界の動向について取り上げてみました。
グローバルな医療機器需要は、半導体や情報サービス領域についで高くなっており、年率5.7%で拡大していくと予測されています。一方、国内需要は、高齢化による循環器科、整形外科関連製品などの需要拡大はあるものの、病院の機能統合や補助金等のプラス要因のはく落により年率1.8%の緩やかな拡大に留まるとされています。
日系の大手医療機器メーカーの成長性・収益性はグローバル市場でも引けを取らない水準にあります。特に、内視鏡、医療用光源、眼底カメラでは50%以上のシェアを有しています。しかしながら、より大きな市場規模をもつ超音波画像診断装置(MRI、CT等)等では外国企業のシェアが高い傾向にあります。また、国産化政策が業績を支える中国企業の規模が突出しているのも注目されます。
今後は、テクノロジーの進展を背景に、疾病が発症してから診断・治療を開始する従来型の医療から、予防・予後等の周辺領域を含む多様なヘルスケアサービスへの拡大していくとされます。これに伴い、予防・健康管理、医療現場の負荷を分散する支える医療、治す医療など新しいソリューションの開発・普及が進んでいます。
日本の大手医療機器メーカーについては上述しましたが、国内の医療機器メーカーの大部分は中小規模の会社です。それは、ひとつひとつの医療機器の売上が内視鏡等の例外を除き小さいケースがほとんどであること。事業規模がある程度ないと大企業では採算がとりにくいこと。医療機器は安全性の観点から厳しい品質管理が法令上も定められおり、品質問題が発生したときのマグニチュードが大きすぎることも大手企業が逡巡する要因です。
ところで、このような中小規模の医療機器関係企業が多数集まっている特異な地域があることをご存じでしょうか。東京文京区本郷エリアは「メディカルヒルズ本郷」などとも呼ばれて大学等との医工連携も活発です。事業化のための受け皿があることや、近隣に東京大学や医科歯科大など医療系研究機関も多いことから、医療系ベンチャーが数多く出てきています。当社もこうしたベンチャー企業から医療関係機器の製造に関して問い合わせを受けています。
医療とヘルスケアの接続により、今後はデジタル技術を活用した医療ソリューション(ウェアラブル機器、オンライン診療、遺伝子治療・・)の需要が高まります。この領域にはアップルやグーグル、アマゾンといったビッグテックの参入も相次いでおり、ますます注目を集めていくと考えております。当社も微力ではありますが、医療機器製造業務に長年従事していますので、お気軽にお問い合わせください。
以下、雑談です。当社は諏訪湖に近いところにありますが、その諏訪湖がこの時期になると大量のヒシに覆われます。漁師の方々の船の航行にも支障があり、特殊な船での除去作業も行われますが、いかんせん多勢に無勢。秋になってヒシが枯れ、湖に沈むのを待つしかないというのが例年です。この厄介なヒシは、もともと諏訪湖に自生していましたが、アオコを浄化するということで植えられたものが大量に繁殖したとも言われます。
ちなみに、ひし形という図形はこの植物のヒシに由来しますが、その種はたしかにひし形です。また、ヒシの実は豊富な栄養成分があり、古来より好んで食べられていたようです。忍者が使うマキビシもヒシの実を乾かして作られたとも言われます。ネットには「おいしいヒシの実の食べ方」などという記事もアップされていますので、秋になって波打ち際にたくさん打ち寄せられたら、ヒシの実を拾ってチャレンジ料理にトライしてみようと思っております。
(T)