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 今回は、半導体製造プロセスの「中行程」についてです。

 半導体の進化は1965年にインテルのゴードン・ムーアが提唱した「ムーアの法則:半導体の集積度は18から24か月ごとに倍増する」に則って、半導体メーカーは2年ごとに集積度を2倍にすることを目標に技術開発を進めてきました。微細化のためには、露光技術(前工程)の革新が欠かせませんが、現在、最先端といわれる2ナノ(線幅)半導体では、加工が原子サイズとなり、発熱による内部抵抗値の上昇、また、リーク電流の影響等より、物理的な限界に来ていると言われます。
 ちなみに10ナノの加工で、1平方ミリメートルに1億個のトランジスタが載っていますから、2ナノレベルにはさらに集積度が上がります。次世代の露光機は1台500億円以上、エヌビディアのAI向け半導体は1個500万円です。ここまでコストがあがると、iphoneを年間2億台も販売するアップルでも吸収できないのでiphoneには最先端半導体を搭載していないようです。つまり、最先端半導体の製造プロセス(前工程)は、物理的な困難さに加え、微細化=コストアップになるという経済的な限界からからも、ムーアの法則が適用できなくなってきたというのが現状です。

 前工程の行き詰まりにより、後工程での革新が必要となり、後工程がこれからの半導体を牽引する鍵になるとの認識が高くなっています。革新的な後工程技術のひとつにチップレット技術があり、次世代半導体の成否を握る重要なイノベーションとして注目されています。チップレット技術を一言で説明するのは難しいですが、簡単に言えば、複数の小さなチップ(チップレット)を1つの大きな基板やパッケージに集積する技術です。従来の単一の大きな最先端チップを作成する代わりに、機能ごとに異なるチップレットを設計・製造し、それらを組合わせて1つのシステムを構築します。チップレット技術の最大の特徴は、その柔軟性と効率性にあります。異なる機能を持つチップレットを組合わせることで、カスタマイズ性の高い半導体デバイスを作ることができます。

 チップレット技術には、それぞれのチップレットを接続する特徴的な工程があり、これを「中行程」と呼ぶようになっています。「インターポーザ―」と呼ばれる微細な配線をパターニングした基板を介してチップレット間の短距離接続が行われます。大手半導体メーカーが率先して開発を進めていますが、この中行程に用いられる技術や材料は日本が大きなシェアを占めており、これからの日本の半導体産業を支えていく可能性があります。当社にも国内外のお客様から、さまざまな試作案件をいただいており、チップレット技術の発展に貢献していると自負しております。

 以下、雑談です。この時期、諏訪湖の沿岸水域ではヒシが異常発生します。水質や観光・漁業に問題が生じていることから、長野県でも対策を講じて、ヒシ刈り船の稼働や、手刈りによる除去も行われているとのことですが、効果は顕著ではなく、湖面に緑の絨毯が敷き詰められたような景観になります。ヒシは秋になれば、枯れて水没してしまいますが、また、翌年には緑の絨毯となります。ちなみに、ヒシの実は、忍者が使った「巻きビシ」の原型で、中の実は食べることもできるようです。また、刈り取ったヒシは肥料化もできるということですから、なにか上手な解決方法がないかと思う次第です。

(T)