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 今回のお題は『半導体の後工程』についてです。

 半導体の性能向上といえば巨大前工程メーカーや装置メーカーによる微細化が鍵であり、トランジスタが誕生して以来、過去70年にわたりムーアの法則の予測どおりに微細化・小型化が実現しています。現在は線幅2ナノメートルが最先端とされていますが、さすがにこれ以上の微細化は物理的に限界ではないのかという見方も出てきています。

 半導体市場の需要動向は、経産省による「我が国半導体産業復活の基本戦略」でも、パワー半導体を含め中長期的に右肩上がりで増加し、2030年には現状の2倍程度になると予測されています。前工程の技術進化のハードルが上がっていることで、複数チップを平面的に配置するチップレット技術やそれらを積み重ねて性能を高める3次元積層など後工程の次世代技術開発が活発化しています。

 最近、いくつか半導体後工程に関する注目すべきリリースがありました。「インテルと日本企業14社が半導体後工程の自動化を目指して共同開発に乗り出し、自動化により国際競争力の強化を目指す」、「半導体材料大手のレゾナック社は、シリコンバレーに次世代半導体パッケージのコンソーシアムを設立し、材料・装置メーカー10社が参画」、「シャープは三重工場でアオイ電子の半導体後工程の生産ラインを構築する」等々です。

 日本の大手半導体メーカーの多くは、過去20年あまりの間に半導体の実装工程を工賃の安い東南アジアへの拠点を移しました。結果として、後工程の国内空洞化や事業撤退もあり、当社のような独立系実装メーカーが少なくなっているように思います。半導体後工程市場はいわば空白ゾーンのような状況だったのですが、ここに来て急速にその重要性が再認識され多くの企業等が投資を始めています。

 当社は長く地道に実装事業に携わっており、試作から量産まで幅広くご用命をいただいております。特に試作関係ではスピードと技術開発力を備えた柔軟な対応力が問われますし、先端開発に対応できる装置や技術者を常に整えていかなければなりません。さらに、上述のようなチップレット技術やパワーデバイスの実装などにも対応できるよう積極的な設備投資を行っていくつもりです。お気軽に当社ホームページの問い合わせフォームからアクセスいただければ幸いです。

 お盆15日には諏訪湖花火大会が行われます。今年は夕方に急な雨が降って心配しましたが、無事に開催されました。諏訪湖の花火は4万発以上が打ち上げられ全国屈指の規模を誇ります。見物客も数十万人が諏訪湖の周りに集まり、この地方の一大イベントとなっています。諏訪ではこの花火が終わると秋風が吹き始めるというのが例年で「夏も終わり」と多少感傷的になる地元民も多いと思います。「最後の花火に今年もなったな」という歌詞のヒット曲がありますが、色鮮やかな花火大会が終わりに近づくにつれて、そんなことを思う次第です。

(T)