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 今回のお題は『技術教育』についてです。

 当社は電子デバイス領域でビジネスを展開しています。この分野の技術進歩はめまぐるしいですが、常に最先端技術にキャッチアップしていかなければなりません。当社には実装、貼合、真空封止などについて長い経験を有するマイスター技術者が多数在籍しており、お客様のニーズにお応えしておりますが、若手、中堅社員の技術力をどのように引き上げて育成していくかという観点で、今回は当社が取り組んでいる実装に関する技術教育についてご紹介したいと思います。

 実装部門に在籍しているメンバーは日頃から業務として実装に携わっていますから、若手でもOJTを通じてある程度の基礎技術を習得していきます。しかしながら、半導体全体の製造工程や理論的なバックグラウンドを理解したうえで業務に取り組む必要がありますので、これらについては座学として教育しています。社外の専門家に依頼し、年間スケジュールを立てて体系的に講座を設定し実装技術の基礎を学んでいます。お客様と専門的なお話をすることもありますので、基礎教育とはいえ、多少レベルの高い内容となっています。

 一方、新入社員や会社の他部門のメンバーは「実装」に関する技術知識はほとんどない状態です。当社では、中期的にファインデバイス事業にリソースの多くを投入して事業展開を拡大したいという意向もありますので、部門を超えた社員の異動も柔軟に行っていく必要があります。ですから、新入社員を含む初心者にも半導体「超」基礎技術を理解してもらえるような技術講座も整えていきます。この基礎講座では、半導体が我々の日常生活にどのように係わっているかから始めて、半導体の動作原理や製造プロセスの概略を理解し、当社が行っている実装工程の重要性などを取り上げています。また、パワー半導体と他のICとの違いなどについても説明していきます。

 半導体に限りませんが、あらゆる技術分野には特有の技術用語が頻繁に使われます。お客様とコミュニケーションをとる場合に、これらの技術用語が理解できていないとスムーズな打ち合わせもできませんから、基礎教育を受講していく中で、これらの技術用語についても習得していきます。

 当社では、ファインデバイス事業に係わるメンバーに限らず、全社員が半導体実装についての基礎知識を社内常識として共有することによって会社全体の基礎力をアップしていきたいと考えております。

 信州では春になると梅、桜、木蓮、水仙などがほとんど同時に咲き始めます。冬の寒さが厳しいだけにこの季節が待ち遠しく感じられます。諏訪エリアの経済環境はいまだ厳しいものがありますが、こちらも春の訪れとともに回復していくことを期待したいと思っております。
(T)