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今回のお題はペロブスカイト太陽電池についてです。

 全国の太陽光パネルの設置面積は山手線の内側約65㎢の約60倍にあたり、2020年末時点で100万kwの原発60基分に相当する5,984万kwがすでに導入されているとのことです。昨今の電気料金の急激な高騰もあり、当社も社屋の屋上に太陽光パネルを設置し、環境に配慮するとともに電気代の節減にも取り組んでいます。

 太陽光パネルはもともとは日本メーカーが世界市場で大きなシェアを占め、さまざまな新しい技術開発に取り組んでいましたが、中国メーカーとの価格競争に敗れ多くの企業が撤退に追い込まれました。

 政府のエネルギー基本計画によれば、2030年の電源構成では再生可能エネルギーの割合を36~38%としており、その大部分を太陽光発電で実現するとしています。そのためには太陽光パネルを現在の3倍の面積に設置しなければなりませんが、既存のシリコン太陽電池を自然環境への影響なく設置することは現実的にも難しいと思われます。そこで、次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池が大きな注目を集めています。ペロブスカイトとは聞きなれない用語ですが、ペロブスカイトは「灰(かい)チタン石」のことで、ロシアの鉱物学者により発見されたものです。このペロブスカイトを太陽電池に使うことを日本の科学者が考え出し、イギリスの大学と日本の研究機関の共同開発により発電効率が飛躍的に向上したことで、一気に次世代太陽電池の本命としてクローズアップされてきています。

 ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く、プラスチックフィルムなどにも加工でき、折り曲げることもできるため、ビルの壁面や自動車の屋根などシリコン太陽電池が置けない場所にも設置できます。また、室内などの光の弱い場所でも発電でき、エネルギー変換効率もシリコン太陽電池を上回る可能性もあります。EV車の屋根にペロブスカイト太陽電池を貼れば、約20㎞を走行できる分の電力を賄えるという試算もあります。このような優れた特長からJAXAも将来的な衛星への搭載の可能性を研究し始めています。

 既存のシリコン太陽電池は製造技術が確立してスケールメリット勝負となり中国メーカーが市場を席捲していますが、ペロブスカイト太陽電池は日本国内での原料調達が可能で、日本企業が得意な技術を活用して製造できることから、新たな競争力のある製品となることが期待されています。とはいえ、シリコン太陽電池の二の舞を踏まないよう量産においてもイニシアチブをとれるよう国全体で協力していかなければと思います。

 当社はさまざまな機能性フィルムの貼合およびそれらを電気的に接合するという技術をコアとして多くの試作・量産案件を行っております。これらは、ペロブスカイト太陽電池の製造技術には欠かせない要素プロセスであり、その開発・製造に積極的に貢献したいと考えています。

 今年は「記録的に早く桜が開花した」とさかんに報道されています。桜前線の対象は基本的にはソメイヨシノですが、このソメイヨシノの樹勢が低下しつつあり、倒木リスクがある場合には伐採も行われています。このソメイヨシノの代替品種としてジンダイアケボノという桜の植樹が進んでいます。ジンダイアケボノはソメイヨシノ系ですが、調布市の神代植物公園に原木があり、開花時期はソメイヨシノより数日早く、花弁のピンク色が濃くグラデーションもあり鮮やかとのことです。