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今回のお題は『ミニLEDディスプレイ』についてです。

 巷間よく言われますが、記憶媒体はFD、CD、DVD、Bluray、MicroSD、HDD、SSD、USBさらにはクラウドと激烈な競争を経て激しく変化してきました。ディスプレイについてもブラウン管(CRT)に始まり、プラズマパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機 EL ディスプレイ(OELD)、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、レーザーディスプレイなどなどその変遷は激しいもので、それぞれのメインプレイヤーは、苦労して隆盛を極めても次世代ではその地位を維持できないケースがほとんどです。

 私たちが日常的に接するスマホやタブレット機器には液晶ディスプレイやハイエンド機種には有期ELディスプレイなどが搭載されていますが、近頃それらに加えて「ミニLED」というディスプレイを見かけるようになりました。実際、ハイエンドテレビやモニター、iPad Proなどにはすでに採用されています。

 「ミニLEDディスプレイ」の原理は基本的には液晶ディスプレイと同じですが、液晶ディスプレイは有期ELディスプレイに比べて、その構造上、バックライト光を完全にシャットアウトできないため、真の黒色が表現できないという短所があります。「ミニLEDディスプレイ」は、この短所を改善するため、バックライトを分割してそれぞれのゾーンごとに輝度を調整できるようにしたディスプレイです。明るいところは輝度を高く、暗いところは輝度を低くすることで真の黒色が表現できるようになっています。例えば、上述のiPad Proでは、1万個以上の小型青色LEDを搭載して、これを2,596個にエリア化し、ソフトウェアにより輝度をコントロールしています。

 ミニLEDディスプレイは従来の液晶ディスプレイと同じスキームで生産できるので、大量に設備投資された既存の生産ラインでサイズ等も自由に生産できます。一方で、大量のLEDをディスプレイ直下に実装する必要があり、筐体の薄型化やコンパクト化には大きな課題もあります。将来的に有期ELディスプレイとミニLEDディスプレイのどちらが覇権を握るかはわかりませんし、さらにはマイクロLEDディスプレイなども次世代のディスプレイとして出てきていますので、今後もしばらくの間は、各メーカー間で熾烈な競争が行われると思います。

 当社は、ディスプレイ部門では液晶ディスプレイも有期ELディスプレイも様々なお客様から多くの加工依頼を受けております。また、実装部門では最先端のミニLED実装のための装置を導入済であり、こちらも多くの引き合いを頂いておりますので、お気軽にご相談ください。

 信州では秋が深まるとともに、あちこちに植えられている柿が一成に色づいてきます。夕焼け空に柿色のコントラストは日本の原風景のひとつであり、最先端のディスプレイであれば、実際の風景に近い色合いを実感できると思っております。もっとも、昨今では柿を収穫して「さわし」柿にしたり、干し柿にする家庭も少なくなり、多くはカラスなどの野鳥の恰好の餌となってしまいます。個人的には、この放置される柿で何か良いアグリビジネスができないかと、毎年この時期には思うのですが、なかなか思いつかないまま柿は落ちてしまって雪の季節になってしまいます。