各種半導体実装 各種精密貼合 各種機器組み立て 試作から量産まで一貫受託!


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今回のお題は『GX(グリーントランスフォーメーション)』についてです。

 GXとはグリーントランスフォーメーションの略で化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のことです。現在、人類のさまざまな活動のエネルギー源は化石燃料が中心で二酸化炭素をたくさん排出しますが、地球温暖化の最大の原因がこの二酸化炭素(温室効果ガス)とされます。日本は2050年にカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにする)を実現すると宣言しています。これを実現するためには、単に化石燃料をクリーンエネルギーに変えていくというだけではなく、社会の仕組みそのものを変え、一人ひとりの意識変革が欠かせません。
 
 GXは私たちの生活のさまざまな面に関わってきますが、そのひとつとしてクローズアップされているのが衣料ロスの問題です。日本では1年間で29億着の衣料が供給され、そのうちの15億着が売れ残り、その多くが新品のまま廃棄されていると言われます。日本に限らず衣服の大量生産・大量廃棄は世界的にも大きな課題として認識され、EUは売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための法律を発表しています。ファッション産業は、製造にかかるエネルギー量や衣服のライフサイクルの短さなどから、環境負荷が非常に大きい産業と指摘されています。

 環境省は次世代のファッションのあり方という切り口でサステナブルファッションという資料をアップしています。図表やイラストを使って大変分かりやすく、また興味深い内容で、ファッション産業における環境負荷やリユース・リサイクルの現状、さらにはサステナブルファッションのあり方など、余計なお世話的(?)なレベルまで踏み込んでいますが、多くの示唆を含んでいると感じた次第です。
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/index.html

 当社は使用済みインクカートリッジのリサイクル事業等に長く携わっており、産業廃棄物収集運搬業許可、産業廃棄物処分業許可などのライセンスを保有し、社会環境の改善に微力ながら貢献しています。さらに、ここで上述に関わる新事業としてセイコーエプソン社とドライファイバーテクノロジーによる共創活動を進めています。ドライファイバーテクノロジーの詳細については同社のホームページをご参照ください。
https://www.epson.jp/prod/smartcycle/

 10月17日(木)から19日(土)岡谷市民総合体育館およびテクノプラザ岡谷にて「諏訪圏工業メッセ2024」が開催されます。当社もブースを出展いたしますが、今年度はドライファイバーテクノロジーに関する展示を行う予定です。実際にドライファイバーテクノロジーで作成したサンプルの展示やノベルティなども配布する予定ですので、ぜひ当社ブースにもお立ち寄りください。

(T)


 今回のお題は『半導体の後工程』についてです。

 半導体の性能向上といえば巨大前工程メーカーや装置メーカーによる微細化が鍵であり、トランジスタが誕生して以来、過去70年にわたりムーアの法則の予測どおりに微細化・小型化が実現しています。現在は線幅2ナノメートルが最先端とされていますが、さすがにこれ以上の微細化は物理的に限界ではないのかという見方も出てきています。

 半導体市場の需要動向は、経産省による「我が国半導体産業復活の基本戦略」でも、パワー半導体を含め中長期的に右肩上がりで増加し、2030年には現状の2倍程度になると予測されています。前工程の技術進化のハードルが上がっていることで、複数チップを平面的に配置するチップレット技術やそれらを積み重ねて性能を高める3次元積層など後工程の次世代技術開発が活発化しています。

 最近、いくつか半導体後工程に関する注目すべきリリースがありました。「インテルと日本企業14社が半導体後工程の自動化を目指して共同開発に乗り出し、自動化により国際競争力の強化を目指す」、「半導体材料大手のレゾナック社は、シリコンバレーに次世代半導体パッケージのコンソーシアムを設立し、材料・装置メーカー10社が参画」、「シャープは三重工場でアオイ電子の半導体後工程の生産ラインを構築する」等々です。

 日本の大手半導体メーカーの多くは、過去20年あまりの間に半導体の実装工程を工賃の安い東南アジアへの拠点を移しました。結果として、後工程の国内空洞化や事業撤退もあり、当社のような独立系実装メーカーが少なくなっているように思います。半導体後工程市場はいわば空白ゾーンのような状況だったのですが、ここに来て急速にその重要性が再認識され多くの企業等が投資を始めています。

 当社は長く地道に実装事業に携わっており、試作から量産まで幅広くご用命をいただいております。特に試作関係ではスピードと技術開発力を備えた柔軟な対応力が問われますし、先端開発に対応できる装置や技術者を常に整えていかなければなりません。さらに、上述のようなチップレット技術やパワーデバイスの実装などにも対応できるよう積極的な設備投資を行っていくつもりです。お気軽に当社ホームページの問い合わせフォームからアクセスいただければ幸いです。

 お盆15日には諏訪湖花火大会が行われます。今年は夕方に急な雨が降って心配しましたが、無事に開催されました。諏訪湖の花火は4万発以上が打ち上げられ全国屈指の規模を誇ります。見物客も数十万人が諏訪湖の周りに集まり、この地方の一大イベントとなっています。諏訪ではこの花火が終わると秋風が吹き始めるというのが例年で「夏も終わり」と多少感傷的になる地元民も多いと思います。「最後の花火に今年もなったな」という歌詞のヒット曲がありますが、色鮮やかな花火大会が終わりに近づくにつれて、そんなことを思う次第です。

(T)


 今回のお題は『医療機器ビジネス』についてです。

 当社は医療機器製造業登録(登録番号:20BZ200101)を有しており、医療機器ユニット等の製造受託も数多く承っております。今回は、医療機器業界の動向について取り上げてみました。

 グローバルな医療機器需要は、半導体や情報サービス領域についで高くなっており、年率5.7%で拡大していくと予測されています。一方、国内需要は、高齢化による循環器科、整形外科関連製品などの需要拡大はあるものの、病院の機能統合や補助金等のプラス要因のはく落により年率1.8%の緩やかな拡大に留まるとされています。

 日系の大手医療機器メーカーの成長性・収益性はグローバル市場でも引けを取らない水準にあります。特に、内視鏡、医療用光源、眼底カメラでは50%以上のシェアを有しています。しかしながら、より大きな市場規模をもつ超音波画像診断装置(MRI、CT等)等では外国企業のシェアが高い傾向にあります。また、国産化政策が業績を支える中国企業の規模が突出しているのも注目されます。

 今後は、テクノロジーの進展を背景に、疾病が発症してから診断・治療を開始する従来型の医療から、予防・予後等の周辺領域を含む多様なヘルスケアサービスへの拡大していくとされます。これに伴い、予防・健康管理、医療現場の負荷を分散する支える医療、治す医療など新しいソリューションの開発・普及が進んでいます。

 日本の大手医療機器メーカーについては上述しましたが、国内の医療機器メーカーの大部分は中小規模の会社です。それは、ひとつひとつの医療機器の売上が内視鏡等の例外を除き小さいケースがほとんどであること。事業規模がある程度ないと大企業では採算がとりにくいこと。医療機器は安全性の観点から厳しい品質管理が法令上も定められおり、品質問題が発生したときのマグニチュードが大きすぎることも大手企業が逡巡する要因です。

 ところで、このような中小規模の医療機器関係企業が多数集まっている特異な地域があることをご存じでしょうか。東京文京区本郷エリアは「メディカルヒルズ本郷」などとも呼ばれて大学等との医工連携も活発です。事業化のための受け皿があることや、近隣に東京大学や医科歯科大など医療系研究機関も多いことから、医療系ベンチャーが数多く出てきています。当社もこうしたベンチャー企業から医療関係機器の製造に関して問い合わせを受けています。

 医療とヘルスケアの接続により、今後はデジタル技術を活用した医療ソリューション(ウェアラブル機器、オンライン診療、遺伝子治療・・)の需要が高まります。この領域にはアップルやグーグル、アマゾンといったビッグテックの参入も相次いでおり、ますます注目を集めていくと考えております。当社も微力ではありますが、医療機器製造業務に長年従事していますので、お気軽にお問い合わせください。

 以下、雑談です。当社は諏訪湖に近いところにありますが、その諏訪湖がこの時期になると大量のヒシに覆われます。漁師の方々の船の航行にも支障があり、特殊な船での除去作業も行われますが、いかんせん多勢に無勢。秋になってヒシが枯れ、湖に沈むのを待つしかないというのが例年です。この厄介なヒシは、もともと諏訪湖に自生していましたが、アオコを浄化するということで植えられたものが大量に繁殖したとも言われます。
 ちなみに、ひし形という図形はこの植物のヒシに由来しますが、その種はたしかにひし形です。また、ヒシの実は豊富な栄養成分があり、古来より好んで食べられていたようです。忍者が使うマキビシもヒシの実を乾かして作られたとも言われます。ネットには「おいしいヒシの実の食べ方」などという記事もアップされていますので、秋になって波打ち際にたくさん打ち寄せられたら、ヒシの実を拾ってチャレンジ料理にトライしてみようと思っております。

(T)


 今回のお題は『機密情報管理』についてです。

 当社のホームページには、情報セキュリティポリシーが記載されています。また、先日、トピックスにもアップしましたが、「情報処理推進機構(IPA)中小企業のためのSecurity Action(情報セキュリティ対策に取り組む自己宣言制度)」二つ星の認定を受けました。当社は以前より、情報セキュリティに関する社内基準を整備し、情報資産の保護および適切な管理を行うための明確な方針・ルールを社内に周知しています。また毎年、「社員行動指針」に掲載している情報セキュリティに関する項目を全社員で読み合わせをして意識を高めております。

 当社は多くのお取引先の試作案件などを取り扱っておりますので、機密情報管理は極めて重要です。一般に機密情報とは、顧客情報や企画書、社員の個人情報など外部に漏らしたくない重大な情報が該当します。また、機密文書とは、関係者以外に渡ると関係者に不利益が生ずるリスクがある文書のことを言います。

 機密情報が流出すると、企業の情報セキュリティ意識や社員教育の不十分なことが問われ信頼が失墜します。信頼を失ってしまえば仕事は生まれません。また、情報漏洩による罰則も場合によっては発生します。機密情報には当然ですがお取引先の機密情報も含まれますから、流出した際には調査費用に加え、損害賠償等の金銭的な対応に追われることもあります。当社ではこのような情報流出は今まで発生したことはありませんが、このような流出リスクは常にありますので、さらに対応を進めてまいります。

 昨今の事例をみると、文書による漏洩よりもネットワークから流出するケースが増えています。これを防ぐためには、まずは適切な情報セキュリティシステムを構築し、怪しいアクセスなどがないかを定期的にチェックしなければなりません。また、これらシステムも含め情報管理全体を管理するCISO「Chief Information Security Officer」最高情報セキュリティ責任者を定めておくことも必要です。当社では総務担当の執行役員がその職務を遂行しています。

 テレワークが普及し、データの持ち出し、紛失などの可能性も高くなっています。外部からのウィルス侵入や不正アクセスなど従来の管理体制では対応しきれない部分も増えてきています。当社では引き続き機密情報管理に万全を期していきますので、安心してご用命ください。

 先日、実家の片付けをしてましたら、母校の「写真でみる100周年誌」という本が出てきました。ぱらぱらめくってみると同級生が何人か写っていて、つい見入ってしまいました。母校の校歌は「世界で一番長い?」とかでギネス級というような未確認情報もあり、掲載されていた校歌も懐かしく思い出しました。新入生の頃、校歌指導という催しがあり、長い校歌を覚えるのに苦労したことが記憶に残っています。

(T)


 今回のお題は『半導体の3次元実装』についてです。

 当社が事業を展開している半導体業界では、最先端技術の開発競争が国家レベルで行われています。次世代通信システム(ポスト5G)や人工知能(AI)の進展を支えるためにはより高性能な半導体製品が必要となります。半導体製品の高機能化・高速化・低消費電力化には微細化技術が必須で、現在の最先端は2ナノレベル(1 ナノメートル = 0.000000001 メートル)とされていますが、この微細化が限界に来ていると言われます。

 そこで、発想の転換ではありませんが、従来、平面的に構成されていたLSI(大規模集積回路)を縦に積上げるという3次元実装という技術がクローズアップされてきています。従来のLSIでは、メモリー、演算回路、制御回路などさまざまな回路ブロックを平面的に接続してひとつのLSIとしていますが、回路規模が大きくなるほどチップ面積が増加し、回路ブロック間の配線も長くなり、データの遅延や電力消費が問題となってきました。

 3次元LSIはそれぞれの回路ブロックを別々に切り離し、それを重ねて回路ブロック間をチップで貫通させた配線〔TSV(Through Silicon Via)〕で接続する構造をもったLSIとなります。3次元LSIは非常に有効な技術であり、回路ブロック間の配線の長さが短くなることで、平面的なLSIよりも一桁、二桁違う処理速度が可能となるといわれています。

 もっとも、3次元LSIを実現するためには、関連する技術をいくつも完成させなければなりません。上述のTSVひとつとっても、一筋縄ではいきません。積み重ねられた複数のシリコン製半導体チップ同士の接続をこの貫通電極で行うのですから、いかに微細なホールを正確に多数あけるか。基材やホールをあけるための道具(技術)も開発しなければなりません。また、一般的にはあまり聞きなれないインターポーザ―技術も重要です。インターポーザとはラテン語の「間に挟む」という語句が由来とのことですが、実装業界においては、複数の半導体チップと基板を垂直に積み重ねて、ひとつのパッケージに収める時に使われる中継部材のことを指します。より効率的なインターポーザ―の開発にも大手各社が多くの開発リソースを投入しています。

 今までと異なる発想の製品を実現するためには、途方もない関連技術の開発が欠かせませんが、従来の製品を破壊的に更新するイノベーションはこういう地道な開発によりもたらされると思います。

 当社は半導体製品の後工程=実装を主たる事業のひとつとしています。3次元実装への取り組みはハードルが高いものではありますが、基礎技術をひとつひとつ獲得し、今後も半導体業界の発展に貢献していと考えております。

 信州では春になると梅、桜、木蓮、水仙などがほとんど同時に咲き始めます。冬の寒さが厳しいだけにこの季節が待ち遠しく感じられます。春の花が咲き始めると、ほどなく青葉の季節となります。近隣の山々の緑の濃淡はとてもきれいです。諏訪エリアの経済環境はいまだ厳しいものがありますが、初夏の訪れとともに回復していくことを期待したいと思っております。
(T)