各種半導体実装 各種精密貼合 各種機器組み立て 試作から量産まで一貫受託!


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 今回は、AIのこれからについてです。

 ChatGPTが我々の生活のなかでも日常的に使われ始めた感がありますが、最先端ではさらにAI AgentsとかAgentic AIというような新たな概念をベースとしたシステムに進化しつつあるようです。といってもこれらがどういう概念なのかもわからないので、以下にそれぞれの定義についてまず触れてみます。

 ① 生成AI・・ChatGPTに代表される入力に応じてコンテンツを生成するAI
 ② AI Agents・・特定のタスクを自律的に実行するAI
 ③ Agentic AI・・複数のAI Agentsが協調して複雑な目標を達成するシステム、「複数のAI Agentsが特定の役割を担当しながら、目標に向かって協調的に動くように設計されたシステム」ということだそうです。

 さらに具体例で違いをみてみますと、ユーザーが「来週の出張計画を立てて」と依頼したとします。
 ① ChatGPTでは、「出張計画を立てるためには以下の情報が必要です。目的地/日程/予算/目的、これらを教えていただけませんか」と答えてきます。情報をすべて与えれば計画案を「文章で」提案してくれますが、実際の予約はとれません。
 ② AI Agentsでは、カレンダーのAPI(Application Programming Interface、アプリケーション同士をつなぐ窓口)で来週のスケジュールを確認→過去の出張履歴から好みのホテル・航空会社を特定→航空券検索サイトで最適な便を検索→ホテル予約サイトで宿泊先を検索→総合的なプランを提案。ただし、実際の予約は人間が確認後実行します。
 ③ Agentic AIでは、スケジュール管理Agentでカレンダーを分析し最適な日程を提案→交通手配Agentで航空券、電車の最適ルートを検索・比較→宿泊手配Agentでホテルを検索・比較し候補を提示→予算管理Agentで全体コストを監視し、予算内での最適解を提案→統合管理Agentで各Agentの結果を統合し、最終プランを作成します。各Agentが並行して作業するため、単一のAgentより効率的で、ひとつのAgentが失敗しても、他のAgentが代替案を提示できることがポイントです。

 生成AIは「強力なエンジン」として機能しますが、それだけで業務に必要な「行動の一貫性」や「連携処理」をこなせません。そこを補うのが、生成AIの言語理解、生成能力を「思考エンジン」として活用しながら、そのうえに「行動力」と「協調性」を追加したのがAI Agentsであり、Agentic AIだそうです。

 AI Agentsが機能していくためには、さらにRAG(検索拡張生成、Retrieval-Augmented Generation)という技術が必要と言われています。生成AIはインターネットにない情報(例えば、企業の開発情報や顧客情報のような社外秘情報等)に関して調べた場合、信頼できない情報(フェイク)や出所のわからない情報等によって間違った回答するリスクがあります。秘伝のレシピノートに書いてある情報にはアクセスできませんから、最適解とは言えないわけです。RAGは自分の持っている情報を教えて、それも使って回答をしてもらう仕組みです。

 と、ここまで書きまして、AIの進化に驚きつつ、そのスピードの速さについていくのは大変だと改めて思います。このAgentic AIが実際のロボットに搭載されて、物理的な作業を自律的に行うようになると言われますから、鉄腕アトムやターミネーターの世界が近いうちにやってくると言うことですね。

(T)


 今回は、品質マネジメントシステムについてです。

 例年、10月から11月にかけて当社では品質マネジメントと環境マネジメントの審査を受けます。当社はISO9001の認証を1999年に、また、自動車産業品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を2014年に取得し、以降、毎年維持・更新しています。

 ISO9001は、製品やサービスの品質向上を目的とした国際的な品質マネジメントシステムの規格で、全世界で100万以上の組織が認証されています。製品やサービスの製造から提供までのプロセスが国際基準に従って管理されており、その組織や商品が国際基準のレベルの品質管理の仕組みで提供されていることの証明となります。

 ISO16949は、ISO9001ほど一般的ではありませんが、自動車産業特有の品質マネジメントのために策定された国際規格です。こちらは自動車の製品や部品を提供するサプライチェーンを対象としており、第三者審査機関が審査と登録を行います。各自動車メーカーはIATF16949の要求事項を満たしているサプライヤーから部材等を調達することで、自動車の品質・安全を確保することができます。IATF16949はISO9001を基に米国の自動車メーカーが策定したものがルーツですが、より厳格な規格であると言われます。認証件数は世界で10万件、日本国内では2,000件程となります。

 これらの規格を維持・更新していくためには会社として多大な労力も費用もかかりますが、社内的、社外的に大きなメリットがあります。ISO9001は新たな取引先とビジネスをスタートするときの条件になることが多くなっています。国際的な第三者機関からの認証を得ることで、顧客からの信頼の拠り所となります。社内的には、作業手順を明確化しますので、業務が効率化、標準化され円滑に生産活動ができるようになります。さらに、従業員の責任と権限も要求されますから、不測の事態への対応も迅速になります。

 当社は、長くISO9001、IATF16949に取り組んで来たことで、会社全体に品質マネジメントシステムをベースとした考え方が定着してきております。ぜひ、安心してさまざまなお引合いをいただければ幸いです。さらに、環境マネジメントシステムであるISO14001の認証も2001年以降継続しておりますし、医療機器に関する品質マネジメントシステムの国際規格であるISO13485の取得も現在鋭意進めております。

 以下、雑談です。私どもの地域では、毎年この時期になるとたくさんの柿が色づいてきます。ほとんどが渋柿ですので、干し柿や「さわし」柿に加工しなければ食べられません。干し柿を作るためにはひとつひとつ皮をむいて、括って干すということで手がかかります。それでも上手にできて親戚や知人に贈ればとても喜ばれます。温暖化もあるのでしょうか、せっかくつるした干し柿に黴(カビ)が発生してしまうこともあります。熱湯消毒をし、食用のアルコールを噴霧するというような規格化?された品質管理システムに則った加工が必要かもしれません。

(T)


 今回は、当社の創業80周年についてです。

 当社は80年前、戦後の混乱も治まらない昭和21年8月31日に「信濃蚕業株式会社」として創業しました。「蚕業」という社名からもわかりますが、最初は蚕種(蚕の卵)の製造・販売を主たる事業としていました。製糸業は明治から昭和初期にかけて、日本の近代化の基礎を築いた重要な産業であり、品質の良い生糸を効率的に生産するためには、蚕種の改良が鍵でした。

 高度成長期を迎えるなか、シルクはナイロンなどの化学繊維に市場を奪われ、製糸業、蚕種事業もその将来性が見通せなくなりました。当社は1968年「東洋のスイス」と呼ばれ諏訪地域の主要産業となりつつあった精密事業に参入し、ウオッチやカメラの組立業務の受託事業に会社の方向性を大きく転換しました。

 1990年頃になると、世の中は情報化社会・デジタル化社会へと大きく変化してきました。当社も従来のウオッチ・カメラの組立外注から情報機器(ステッピングモーター、プリンター、ICカード等)の製造受託へとその業容を変化させました。こうした業容の変化を体現するために、1996年、創業50周年の時に会社名を「信濃蚕業」から「イングスシナノ」へと変更しました。この社名には、ING(前進し続ける、進行形)+S(多分野)+SHINANO(信濃)という意味がこめられています。

 2000年には、「これからの日本で成長していくものづくりは実装事業である」とターゲットを定め、新社屋を竣工し、工場フロアのクリーンルーム化に取り組みました。これにより、ライトバルブの実装やLCDモジュールの試作・量産など、クリーンルームでなければ受託できない新たなビジネス領域への展開が可能となりました。

 現在、当社は創業期から数えて、第4期にあると考えております。日本では1990年後半から多くの企業が海外へ転出しました。それに伴って、半導体産業にとって欠かせないコア技術も次々と東アジア諸国の企業へと移転していきました。技術が先進国から途上国へと移転していくのはやむを得ないことですが、昨今の地政学的リスクの高まりに直面し、政府が「半導体の競争力強化」をうたっても、肝心なエンジニアが日本にいないのですから、簡単な話ではありません。

 当社は日本で実装や貼合のビジネスを積極的に展開しており、国内回帰を考える多くのお客様にとって欠かせない存在となってきています。先端技術に対応できる装置を導入しておりますし、現場たたき上げの技術マイスターエンジニアも多数在籍しています。当社独自の技術に裏打ちされた課題解決を大手企業や大学、研究機関等の皆さまと協働してご提案するようなケースも数多くありますので、いつでもお気軽にお声がけください。

 以下、雑談です。中央線を行き来していますと、沿線にびっしりと「アレチウリ」がはびこっていることに気づきます。自宅の線路沿いの柿の木もてっぺんまで「アレチウリ」に覆われて難儀しています。「アレチウリ」は日本の侵略的外来種ワースト100に選定され、その駆除に大変苦労しています。長野県では毎年7月に「アレチウリ駆除全権統一日」を定め、2007年から活動を展開していますが、駆除の方法は、種を付ける前に抜き取る!できるだけ小さいうちに抜き取る!1年に数回抜き取る!アレチウリが現れなくなるまで数年間続ける!というもので、いくら地道な努力といっても、その繁殖力に対してはとても対抗できそうもありません。なにか抜本的な解決策がないものかと思う次第です。

(T)


 今回は、半導体製造プロセスの「中行程」についてです。

 半導体の進化は1965年にインテルのゴードン・ムーアが提唱した「ムーアの法則:半導体の集積度は18から24か月ごとに倍増する」に則って、半導体メーカーは2年ごとに集積度を2倍にすることを目標に技術開発を進めてきました。微細化のためには、露光技術(前工程)の革新が欠かせませんが、現在、最先端といわれる2ナノ(線幅)半導体では、加工が原子サイズとなり、発熱による内部抵抗値の上昇、また、リーク電流の影響等より、物理的な限界に来ていると言われます。
 ちなみに10ナノの加工で、1平方ミリメートルに1億個のトランジスタが載っていますから、2ナノレベルにはさらに集積度が上がります。次世代の露光機は1台500億円以上、エヌビディアのAI向け半導体は1個500万円です。ここまでコストがあがると、iphoneを年間2億台も販売するアップルでも吸収できないのでiphoneには最先端半導体を搭載していないようです。つまり、最先端半導体の製造プロセス(前工程)は、物理的な困難さに加え、微細化=コストアップになるという経済的な限界からからも、ムーアの法則が適用できなくなってきたというのが現状です。

 前工程の行き詰まりにより、後工程での革新が必要となり、後工程がこれからの半導体を牽引する鍵になるとの認識が高くなっています。革新的な後工程技術のひとつにチップレット技術があり、次世代半導体の成否を握る重要なイノベーションとして注目されています。チップレット技術を一言で説明するのは難しいですが、簡単に言えば、複数の小さなチップ(チップレット)を1つの大きな基板やパッケージに集積する技術です。従来の単一の大きな最先端チップを作成する代わりに、機能ごとに異なるチップレットを設計・製造し、それらを組合わせて1つのシステムを構築します。チップレット技術の最大の特徴は、その柔軟性と効率性にあります。異なる機能を持つチップレットを組合わせることで、カスタマイズ性の高い半導体デバイスを作ることができます。

 チップレット技術には、それぞれのチップレットを接続する特徴的な工程があり、これを「中行程」と呼ぶようになっています。「インターポーザ―」と呼ばれる微細な配線をパターニングした基板を介してチップレット間の短距離接続が行われます。大手半導体メーカーが率先して開発を進めていますが、この中行程に用いられる技術や材料は日本が大きなシェアを占めており、これからの日本の半導体産業を支えていく可能性があります。当社にも国内外のお客様から、さまざまな試作案件をいただいており、チップレット技術の発展に貢献していると自負しております。

 以下、雑談です。この時期、諏訪湖の沿岸水域ではヒシが異常発生します。水質や観光・漁業に問題が生じていることから、長野県でも対策を講じて、ヒシ刈り船の稼働や、手刈りによる除去も行われているとのことですが、効果は顕著ではなく、湖面に緑の絨毯が敷き詰められたような景観になります。ヒシは秋になれば、枯れて水没してしまいますが、また、翌年には緑の絨毯となります。ちなみに、ヒシの実は、忍者が使った「巻きビシ」の原型で、中の実は食べることもできるようです。また、刈り取ったヒシは肥料化もできるということですから、なにか上手な解決方法がないかと思う次第です。

(T)


 今回は「これから導入する設備」についてのご紹介です。

 当社は4月22日付にて「中小企業等事業再構築促進事業(地域サプライチェーン維持・強靭化)に係る交付決定」を頂きました。この補助金は、ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持・強靱化またはこれらの取り組みを通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する、中小企業等の挑戦を支援するというものです。

 当社は半導体実装市場において、パワーデバイスや、チップレット実装など今後の成長が見込まれる分野で最先端設備を積極的に導入していきたい考え、今回の補助金申請を行いました。ホームページに導入する設備の掲載も進めていますが、以下、ご紹介いたします。

 ① 「細線用ワイヤーボンダー」
 ② 「高精度フリップチップボンダー」
 ③ 「画像認識付高精度スクリーン印刷機」
 ④ 「真空・加圧リフロー炉」
 ⑤ 「フラックス洗浄機」

 これらの装置は、当社がさらに高性能な実装技術を獲得し、お客様からの多様なニーズにお応えするために必須となるものです。導入にあたっては、既存棟の1フロアをクリーンルームに改修し、今年度内に随時導入・立上げを行ってまいります。各装置の詳細な性能等については、遠慮なく当社技術・営業担当にお問い合わせください。今回の最新装置にとどまらず、当社は継続して設備投資を続けていく所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以下、雑談になりますが、日本はアメリカに次ぐ大きな野球マーケットで、メジャーリーグは日本市場を取り込むために開幕戦を日本で開催したり、大金を投じて日本の有力な選手を積極的に獲得しています。たしかに、毎朝のようにドジャースの試合が放映されますので、野球好きにとっては楽しみが増えますが、だんだんメジャーリーグの試合を見慣れてくると、日本の野球とベースボールはだいぶ違うなと感じることが多くなりました。どっちが良いということではありませんが、メジャーのスピードとパワーはやはり凄いですね。

(T)