評価用LED実装 その2
前回の続きです。
LEDの実装を行いました。
まず、接合材料は、異方性はんだとすることにしました。異方性はんだは熱硬化性樹脂の中に半田粒子が分散している材料で、加熱処理を行うことで半田粒子が凝集・溶融することで電気的な接続が行われ、同時に樹脂が硬化して機械的な固定も行われる材料です。
まずはペースト状の異方性はんだ材料を塗布します。
”S"とシルク印刷された文字の右側に二つの小さなランドがあり、そこにペーストを塗布した写真です。ディスペンサを使い、できるだけアノードとカソードで同じ量になるように半田ペーストを塗布します。
この上にLEDを載せます。LEDは小さいのでマウンタを使用します。
こちらはマニュアル操作のマウンタです。
顕微鏡で確認しながらx, y, θを細かく調整し、チップを搭載します。
下の写真が、載せた後の様子。
LEDの電極はチップの下に形成されているため、接続されている様子は確認できません。
今回の基板は、汎用基板です。そのため、搭載位置も目分量となります。
事前にLEDの仕様書を確認し、基板の電極間ギャップ寸法も計測しており、ショートする可能性は少なそうな寸法関係だったのですが、クリームはんだや銀ペーストではショートしてしまう可能性がゼロではなかったため、異方性半田を使いました。
異方性半田は狭い電極間をまたいで塗布されても、硬化時に半田粒子が凝集するため、等方性の導電材料(導電ペースト、半田など)よりもショートのリスクが少なくなります。
あとは、熱処理だけです。
オーブンにて所定の時間・温度条件に保持し、完成です。
無事点灯!
1.1mm角の方はひょっとしたら実装不良が出るかもしれないと思っていましたが、全数点灯を確認することができました。
いかがだったでしょうか。
今回はミニLEDの中では大きめのLEDを使って、単体評価用の実装風景をご紹介しました。LEDがもっと小さく0.2mm角程度になってくると、接続材料の選定はより慎重になってきますが、実績としては0.2×0.1mmのLEDも歩留まり高く実装可能です。
このように、少量の評価用の実装も請けておりますので、遠慮なくWeb問い合わせフォームよりお問い合わせください。
(終)