メタマテリアル用に貼合試作いかがでしょうか
営業技術グループのRです。今回は、作ってみたシリーズではなく、文章だけです。
5Gのサービスが始まり、徐々にサービスエリアが広がっているようです。
5Gといえば、高速・低遅延・多端末が特徴のようですが、高い周波数まで使われるのも大きな特徴ですね。
日本では現在のところ、Sub6(サブシックス)の3.6GHz~4.6GHzの範囲と、ミリ波の27GHz~29.5GHzが5Gに使われている電波の周波数帯のようです。
ちなみに4G(LTE)は700MHz~3.6GHzの各バンドが使われており、それより高い周波数を使うことになります。
5Gでは、使う周波数が高いため、アンテナのサイズも小さくなります。4GHzの1波長は7.5cm、ミリ波の30GHzでは1波長が1cmとなります。アンテナは1/10~1λくらいのサイズのものが多いですから、数ミリから数センチのアンテナを使うことになりそうです。
周波数が高い電波はより光に近い特性を持つようになり、建物などの障害物を回り込んで電波が届かなくなります。そのため、5Gではアンテナ技術が重要になると言われています。
一方で、題名にも書きました「メタマテリアル」。
「メタ」は「超越した」といった意味があり、自然界には存在しない特性を持つ材料・素材のことを差します。比誘電率や比透磁率は真空が1で、それ以上小さい物質は存在しないのですが、適切に材料設計をおこなうことで、特定の周波数の電波に対して、これらの値が1より小さく、マイナスになる場合もあるようなものが作り出せるそうです(浅学の私には付いていけない領域です)。
そうなるとどうなるかというと、電波を完全に反射したり、ロスなく回折させたりといったことが可能になるとのことで、このメタマテリアルによって5Gの電波を広い範囲に届けられないか、とぼんやり思っていますが、きっとそこら中で研究・開発されていることと思います。
メタマテリアルは狙った波長の長さから数分の1のサイズくらいの金属の構造を作る必要があります。棒だったりリングだったり、いろいろ研究されているようですね。
この「波長より小さいサイズ」、光だとナノメートルサイズの構造になってしまって大変そうですが、5Gの周波数くらいだと数mm~10数mmくらい。印刷などで十分作れる範囲ではないでしょうか。
印刷で平面上に並べたメタマテリアル構造、これを積層したりすると様々な特性が得られるようになるのではないでしょうか。
ここでようやく(本当にようやく)、弊社の出番です。
アンテナや反射板は、存在感がないほうが良いでしょうから、透明なフィルムやガラスにパターンを作りこむことがあるかと思います。
こういった部材を位置精度高く、多層で、様々な素材間で貼り合わせを行う、といったことは弊社の貼合加工の得意とする分野となります。高周波の損失を抑えるために、基材や貼合材料は特殊なものになることもあるかと思います。新規開発の材料評価に弊社の設備をご利用いただくこともできます。
変わった貼合、材料は(少なくとも営業的には)大歓迎ですので、ぜひお声がけいただければと思います。